あつめてみたら
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あつめてみたらの「その14」のご紹介です。

2011年12月03日 (土) 05:43 |
前回はジュンク堂仙台ロフト店の書店員の佐藤純子さんから「伊藤帽子店」
さんをご紹介して頂きました。そしてバトンは「書本&cafe magellan
の高熊洋平さんへ回りました!今回高熊さんにご紹介していただくオスス
メのお店は、「S(エス)」というお店です。失礼ながら、僕はお名前し
か聞いたことがありませんでした。さて、どんなお店なのでしょうか?!

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Sさんのこと



 階段をのぼってすぐ、明るくちいさな一室に、やはり小柄なご主人が、
おひとりじっとたたずんでおいでです。あけはなしたドアをくぐば、ドノ
ソに明生、パゾリーニ。中島貞夫や上村一夫、谷岡ヤスジも。つい棚から
棚へ目が泳いでしまいます。レコードもたくさん挿さっています。



ここは、古本と中古レコードのお店です。

 目を戻すと、ご主人はうとうとお舟を漕いでおいでです。どうやら、 ま
だビールには手がのびてないもよう。差し入れに麒麟淡麗グリーンラベル
を差しだすや、しくじりました、口をとがらせてエビスじゃないの?って。
お好みはエビスのグリーンラベルだそうです。それでも、一口つけるや、
おや呑まず嫌いだったかなって。きっと、アルコールならなんだってよい
のです。ちなみに、正式には「エビス<ザ・ホップ>」というらしく、調
べてみると、先の大震災で一時休売した挙げ句、いまでは製造販売もろと
も終了になったとの由。ご主人にはお気の毒というほかありません。

 そんなご主人がお店を構えたのは、もう18年もまえ、20歳のころ。高校
時代から似たようなことを始めていたものの、卒業後しばらくは土方やル
ンペンなど転々、一念発起いまの場所に開業なさったといいます。当初は、
本とレコードに限らず、ヴィヴィアンウェストウッドやネメスなどとがっ
たお洋服も扱っていたとか。道理で、古本には不釣り合いなガラスのおし
ゃれ什器があるわけです。



 やがてもうおひとり女性客がご来店、お酒をご一緒するはめになりまし
た。すると、いつぞや神保町で森茉莉の全集を9万円で購入したと仰いま
す。間髪入れず「あんたすげぇ!立派だよ!」ご主人よほど感服なさった
のか、話題がすでに変わっているのに、それどころか女性がお帰りになっ
てからまで、脈絡なく何度も噛みしめるように独りごちておいででした。
「森茉莉の全集に9万かぁ。すげぇよぉ…」商売柄、身銭を切る行為には、
人並みはずれた敬意が湧くものなのでしょう。ぼくも身に沁みて痛感する
次第です。ただし、あのしつこさは、酔っぱらいのそれだったかもしれま
せん。なにしろその後、ティム・バックリィのスターセイラーをフルボリ
ュームにして「おいちゃん、これやべぇよやべぇ!」と絶叫しながら「森
茉莉の全集に9万かよぉ!すげぇよ!」と我を忘れて連呼なさっていまし
たから。案の定、翌日お電話さしあげると何ひとつ覚えていらっしゃらな
かったのでした。



 ぼくがはじめてSを訪ねたのはいつだったのか、今となっては杳として
思い出せません。ただ、自分も古本屋になろうとぼんやり思い立って以来
かいつからか、なにかにつけふとSに照らして物事を考えている節があり
ます。たぶん、あの自由さに惹かれているのでしょう。ほんとう不思議な
魅力を持つお店なのです。


S(エス)

住所:仙台市青葉区五橋2-3-13 レジオン五橋 II 201号
電話:022-211-5795
営業:ほぼ毎日(不定休)

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わたしのこと



 高熊洋平と申します。せんだいメディアテークのほど近く、晩翠通りに
面して、書本&cafe magellan(マゼラン)というブックカフェを営んで
います。絵本や暮らし、それからアートや思想など幅広い古本を扱ってい
ます。カフェは8席あります。花粉症をはじめ種々アレルギー性の鼻炎も
ちなので、マスクが手放せません。近所のノラ猫と遊ぶにも鼻がむずむず
し、タイムリミットがあるため悔しい思いをしています。

書本&cafe magellan(マゼラン)
HP:http://magellan.shop-pro.jp/

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次の方の紹介

川村智美さん。映像制作ほか多彩な活動をなさっており、市内をあなた
こなたへ走り回っておいでです。おもな勤務先はせんだい演劇工房10-
BOX
。そういえば、つれづれ団にも(前回登場したジュンコさんと一緒
に)所属していたり。マゼランでも去年、映像作品の展示をして頂きま
した。見る人じしんがスクリーンになって映像を投射され、鏡を介して
本人が鑑賞するなどメディアと身体の関わりを問うおもしろいものでし
た。記録はこちら

ブログ LEOHT
http://to-leoht.blogspot.com/

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今回で第14回目となりました「あつめてみたら」はいかがでしたか?
楽しげで、不思議で、ご主人がとても気になるお店ですね!個人的に、
古本と中古レコードという組み合わせにはとても興味があります。それ
は古本屋さんも、中古レコード屋さんも、どちらも店主の人柄が取り扱
いに現れるからです。どのお店も全く同じではない、それはお店の魅力
であって店主の魅力でもあって。本を見に行く様で、主人に会いにいく
様な、あぁそれが「お店」なんだなと感じました。そんな事を考えてい
たらますます、Sさんに足を運んでみたくなりました。

さて、バトンは川村智美さんへ回りまし た。次回はどんなお店が紹介
されるでしょうか!とても楽しみですね!
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